脂漏性皮膚炎・脂漏性湿疹まるわかりガイド
脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)は、皮脂腺から分泌される皮脂のアンバランスにより起こる皮膚炎の一種で、顔面、頭部などにフケのような付着物ができる湿疹ができ、脂漏性湿疹(しろうせいしっしん)とも呼ばれます。乳児や高齢者に発症することが多く、特に、乳児に発症するものを乳児脂漏性皮膚炎(にゅうじしろうせいひふえん)と呼ぶこともあります。
脂漏性皮膚炎は、体の表面を被う皮脂の分泌が多い人に発症しやすく、軽症の場合はフケだけの時が多いが、症状が進むと皮膚の赤み(紅斑)ができたり、さらに炎症が進み毛根にある毛胞に達すると抜け毛の原因ともなります。
皮脂は様々な要因で異常に増える場合がありますが、皮脂がカビによって脂肪酸に分解される過程で、皮膚に炎症が起こってしまうことがあります。これが「脂漏性皮膚炎」です。
発症する体の部分は、頭皮や眉や鼻の脇などの皮脂の多い部位(脂漏部位)、外耳道、耳の後ろ、体では脇の下や胸などの汗や摩擦(まさつ)の多い部位、背中の真ん中、陰部などにも発症することがあります。
皮脂の分泌は男性ホルモンに関係しているため、成人では男性が女性のの約2倍で男女とも中年以降の人に発症しやすい傾向にあるようです。
症状の現れ方は、頭部・顔面にフケを伴う紅斑で、左右対称性はなく痒みを伴うことが多く、乳児と大人では、出現の仕方が異なることがあります。
乳児脂漏性皮膚炎は、生後まもなくから発症し、髪の生え際から頭の皮膚、額や眉毛部に黄色いかさぶたと淡い紅斑がみられ、痒みはほとんどありません。
成人の脂漏性皮膚炎は青壮年期に多く、頭部から髪の生え際のフケと淡い紅斑、額や鼻翼部から時には顔面全体に広がる黄白色の鱗屑(りんせつ)がついた紅斑が特徴で、腋(わき)の下や鼠径部(そけいぶ)、前胸部や上背部のVゾーンにも同様の症状がみられることがあり、軽いかゆみを伴います。
脂漏部位に境界がはっきりした紅斑が有る場合は、脂漏性皮膚炎が疑われます。頭部のほかに肘や膝に厚い鱗屑のついた紅斑がみられる場合は尋常性乾癬、腋の下や鼠径部の紅斑はカンジダなどの真菌感染症の可能性が疑われるので皮膚科で診察を受けたほうがいいでしょう。
乳児では体幹や四肢の皮膚炎の有無、痒み、家族のアレルギー歴などを参考にしてアトピー性皮膚炎かどうか見分ける必要があります。
脂漏性皮膚炎は、さまざまな原因により皮脂腺が活発になり、皮脂の分泌量が過剰になったために、皮膚が赤くなったり、痒みを伴う皮膚疾患のことで、いわゆるフケは脂漏性皮膚炎の軽症型ともいわれています。
脂漏性皮膚炎・脂漏性湿疹の主な原因として考えられているのは、
・真菌(カビ)
・毛穴(毛孔)の数が多い
・ストレスによる皮脂の過剰分泌
・ビタミン不足(ビタミンB2/B6など)
・油っぽいものや辛いものの過剰摂取
・肉体的過労・睡眠不足
・ホルモンバランスの乱れ
・スキンケア不足(入浴・洗顔・洗髪不足)
・シャンプーのしすぎ(間違った洗髪)
・体質(遺伝)
・紫外線
などが要因と考えられていますが、皮脂中に含まれるトリグリセリドが、真菌(マラセチア属真菌)によって分解されて遊離脂肪酸が生じて皮膚を刺激して接触性皮膚炎を生じるのが一番の原因と考えられています。
「マラセチア真菌」は皮脂を好み皮脂の成分を分解するが、その際にできる物質が皮脂を刺激して炎症を起こすといわれています。
誰でも毛孔から皮脂はでてきますが、脂漏性皮膚炎の人は皮脂の量や硬さに問題が起こって、皮脂が腐った状態になり、赤くならない正常な人の皮脂は綺麗なサラダオイル状態なのですが、脂漏性皮膚炎になる人の皮脂は腐ったマーガリンのようになります。
同じ皮脂でも硬さや質に違いがありマーガリンのような状態の皮脂だと毛孔から出にくくなって毛孔につまるようになります。毛穴に詰まった皮脂は腐って、毛孔の周りの皮膚に炎症が起こり赤斑状態となり、更に皮脂が詰まることで二キビができやすい状態になります。
また、AIDSの初期症状として発症する症例もあり、免疫によって増殖が抑制されていた真菌類が、AIDSによる免疫機能の低下によって増殖の抑制ができなくなり、皮膚が大量の真菌に侵された結果であると考えられています。
脂漏性皮膚炎は、アトピーと似ているので、なかなか湿疹が引かない場合や、皮膚がポロポロむける痒みがあるときは、アトピーかどうかも疑ってみる必要があります。
この他、皮脂中の過酸化脂質による刺激、アルコール依存、ストレス、糖尿病、肝疾患などの要因が挙げられるが、原因が多岐にわたっていて分からないことが多いのもこの脂漏性皮膚炎の特徴です。
脂漏性皮膚炎の治療
脂漏性皮膚炎の原因は、最近では「マラセチア真菌」ではないかという説が有力です。マラセチア真菌は、皮膚の皮脂を分泌する皮脂腺の出口から毛穴にかけて住んでいる真菌(カビ)です。
脂漏性湿疹に病変部を調べると、マラセチア真菌が見つかる場合が多く、外用抗真菌薬を塗布すると、1〜2週間で症状が回復します。ただし、3〜4ヶ月程度で再発することもあり、そのような場合は外用真菌の再塗布が必要になってきます。
皮膚の表面にはさまざまな微生物が、脂漏性皮膚炎の原因になっている場合もあるため、脂漏性皮膚炎の中には、外用抗真菌薬を使用すると悪化する症例もあり、短期間外用ステロイドを塗布が必要になる場合もあります。
いずれにせよ、現在では、脂漏性皮膚炎の治療には、一般的に外用抗真菌薬を使う治療が良いとされています。
フケが多い場合尿素ローションを併用すると比較的効果的です。
脂漏性皮膚炎の痒みに対しては、全身療法として抗ヒスタミン剤の内服や、ビタミンB2(フラビタン)、ビタミンB6(ピロミジン)の内服で予防的効果が期待できます。
同時に体質改善を進めるには、黄連解毒湯、荊芥連翹湯などの漢方薬の内服を併用する場合もあります。
乳児脂漏性皮膚炎は場合は亜鉛華軟膏を用いて鱗屑を取り除くだけで一般に短期間で症状が改善しますのでステロイド外用剤は必要ありません。
頭部の厚い鱗屑にはベビーオイルやワセリンを塗った後に洗髪し、かさぶたを優しくとってあげます。顔の炎症が強い時には、ステロイド含有軟膏を数日間外用します。症状が強い時には頭部にステロイドローション、顔面・体幹の病変にはステロイド軟膏を外用します。
軽くなったものや軽度の病変ならプラセンター軟膏、抗菌剤のニゾラールクリームやミコナゾールシャンプーなどが有効です。
これだけで改善しない場合は母乳栄養児であれば、母親がビタミン類を充分に摂取をすることが必要で、これでも改善しない場合は人口栄養に切り替える必要があります。
いずれにせよ根気が必要な疾患ですので、じっくりと治療することが大切です。
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